草枕と我が次男

本 よしなしごと

「草枕」を読了。

本


西区長が難しい言葉に注釈を書き加えてくださった、いわばオリジナル版。永田さんありがとうございました。永田さんの注釈がなければ100パーセント諦めてました。(笑)
作者、漱石氏の知識の幅広さ、深さ、驚くばかり。
主人公の絵描きは、俳句はもちろんのこと、宗教、中国の漢詩、欧米の彫刻、絵画、詩などに対して幅広い芸術的知見を情景の描写に用いてくる。
出てくる言葉の一つ一つが難しいこと。霊台方寸(れいだいほうすん)、澆季溷濁(ぎょうきこんだく)、尺縑(せっけん)、乾坤(けんこん)、覊絆(きはん)・・・。どれひとつとして意味が解らなかった。永田さん、ホントにありがとうございました。

四苦八苦しながら読み上げ、気付いたこと。
風に吹かれた枝葉のかすかな動き。曇天の下、湿り気を蓄え一歩も動こうとしない大気。無意識を装いながら、熱心に周囲に注意を払う鶏。
鮮やかな感性からなる受容体の持ち手にとっては、さまざまな人、自然の動きはすべて詩的に映るということ。
漱石氏の感性はとんでもないものだったと思う。

そんな折も折、高校二年生の次男坊は朝から外に飛び出して行った。
妻曰く、「友達と小説を書きに行くんだって」。
頑張れ、My Son。(笑)

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